㈱gusiness(ギジネス) 園田雅江社長 | 青学V-NETマガジン

㈱gusiness(ギジネス) 園田雅江社長

【訪問企業】 ㈱gusiness(ギジネス)
   ・所在地  東京都港区虎ノ門1-2-3
   ・http://www.gusiness.com/index.html
【取材相手】 代表取締役  園田雅江氏  


園田雅江社長


--今回は初めて女性社長の園田さんにお話をお伺いするということで、「仕事における女性の可能性」というものを軸にお話いただければと思います。まず園田さんの学生時代を教えてください。
園田:今では想像つかないと思いますが、大学時代は気に入った作家の作品は著書全てを読破するような文学少女でした。当時の私の友達や恩師は今の私を知るとひっくり返るくらい驚きます。


--学生時代はバブルでしたよね?
園田:そうですね。まさに、田中康夫の「なんとなくクリスタル」の時代でした。毛皮のコートを学校に着て来たり、クルーザーで花火を見に行ったり、親がマンションを買ってくれたりという話はよく聞きました。

 私自身はそういうふうに遊んだりしていませんでしたが、社会全体がこのままどんどん豊かになると根拠なく思わせるような雰囲気がありましたね。


--アルバイトをされたことがないとか?
園田:そうなんです。親の方針で(笑)。実家は松山ですが、東京の大学に行くということで4年間の東京行きが許されました。母親が専業主婦だったということもあったと思いますが、働くということについての自分の意思や意見はまったくありませんでした。
 でもまだ東京に居たかったという本音と、社会勉強という建前で、2年間の就職を決めました。そんな動機なので行きたい会社もなく、やりたい業種もない。幸いなことに成績だけはよかったので、就職課の人が一生懸命探してくれて業者間の債券取引を扱う証券会社に就職しました。


--どんな仕事をされたんですか?
園田:今でいう一般職ですね。当時は男女雇用均等法などもなくて、女性社員は入社10年目と入社1~2年目の仕事に大差ありませんでした。お茶酌みですね。そんな感じだったので最初の予定通りきっちり2年で辞めて実家に帰り1年間花嫁修業しました。華道、茶道、料理教室などで結構忙しく過ごしました。今考えるとよくやったな、と(笑)。
 帰省して1年後に結婚したのですが、「個」が埋没していくのが嫌で、仕事を探しました。でも当時の社会で特別なキャリアもない既婚女性を雇ってくれるところはなかなかありませんでした。
 でも外資系企業は違いました。私が結婚しているかどうかは聞かず、あなたは会社に何ができます?という視点の質問ばかりでした。何のキャリアも能力もない自分に悔しい思いもしましたが、そこで働いている女性の姿が輝いて見えたのです。その会社で秘書として働くことになり、最初は自分の上司が良いパフォーンスを残すこと、上司に褒められることが単純に嬉しくて、それをモチベーションに頑張りました。かわいい秘書ですね(笑)
 でも、仕事が面白くなってくると、秘書という仕事には業務の限界がありますので、管理部門に一般スタッフとして入りなおし、そこで人事専門のコンサルティングや社労士のことをはじめて知りました。私にとって外資系企業の人事制度は、とても働きやすく従業員として幸せだった、そこで、このような制度をもっと広めるべきだと思ったんです。
 最初は独立というよりも、自宅兼事務所といった感じの開業目的で社労士資格を取りました。しかし、私は「人」に関わる仕事をしたかったので人事コンサルティングを業としていこうと、経営コンサルティング会社の経営に参加しました。その後、人材育成を業とする㈱gusiness【ギジネス】を昨年12月に立ち上げました。


--男女雇用均等法などの違いは体感されてきたと思いますが、社長という職業について男女差などはありますか?
園田:まったくと言ってもいいくらいないと思います。会社経営に携わる人はリスクは避けて通れないとおもいますが、それは男女いかんを問いません。女性だからといってリスクが高いとか困難だということはありませんね。むしろ女性起業家の支援制度があったりで、メリットはあるかもしれません。私は元来個人差
であるものを男女差として論じるのが好きではありません。ほとんどの問題は個人差だと思っています。


--今の学生についてどう思いますか?
園田:今の学生は保守的なんじゃないでしょうか? 保守的っていっても私たちが学生のときとあまり変りはありません。でも社会や環境が大きく変っているのに学生は変っていないということは保守的なのかな、と。
 就職活動をする時にとりあえず大企業、みたいなブランドで選ぶ人がいぜん多いのではないでしょうか?
 起業するにしても、一度組織に属してスケーラビリティを身につけて欲しいというのが私の持論なのですが、自分の目標を立て、それに向かってマイルストーンを決めながら進んでいく。その延長線上に会社があるといった感じでしょうか。ゴールイメージはいくらでも修正してもいいと思います。 イメージすることが重要だと思いますので、自分のキャリアプランをしっかりと見据えて、皆さんには頑張って欲しいと思います。 


--最後に今後の㈱ギジネスを教えて下さい。
園田:設立から一貫して理念は変っていません。「考える時間」と「体験する時間」の提供です。企業としては、誰が操っても前に進める理論のきっちりしたパブリックな組織にすることを目標にしています。 また、起業家教育という分野では、高校生に対してのコンテンツの提供などの展開を予定しています。
--ありがとうございました。(取材・文 遠山寛志)