シリコンバレー物語(7) | 青学V-NETマガジン

シリコンバレー物語(7)

■ベンチャーキャピタリストの半数が集中


 シリコンバレーで活躍する日本人ベンチャーキャピタリストが2人いる。イグナイト・グループの三井信雄と、デフタパートナーズの原丈人の2人だ。
 1931年生まれの三井は、NHKから日本アイ・ビー・エムに転職し、米IBMの副社長まで務めたというキャリアの持ち主。シリコンバレーのに日本人起業家の中では、おそらくは最年長である。
 原丈人は1952年生まれ。英語とビジネスを学ぶため、79年にスタンフォード大学のビジネススクールに入学。在学中にベンチャーキャピタリストの存在を知り、「ベンチャーキャピタリストになりたい」と思うようになり、持ち前のバイタリティーを発揮して夢を叶えた人物だ。
 一方の雄である原によると、全米ベンチャーキャピタリスト協会に名を連ねる正会員は約1600人ほどだという。
「1600人のうちテクノロジーに投資をするのが3割くらい。その中でアーリーステージ・・つまり創業間もないベンチャー企業に投資をするのがまた3割、約140名くらいです」 全米ベンチャーキャピタリスト協会の正会員約1600人のうち、実に半数がシリコンバレーを活動の拠点としているという。その集中ぶり、偏在ぶりには改めて驚かされる。スタンフォード大学の北側に隣接するメンロパーク市サンドヒルロード3000(地名=SAND HILL ROAD 3000)のように、さながら“ベンチャーキャピタル団地”と化した地域が存在するのも、なるほどとうなずけるというものだ。
 多くのベンチャー企業が次々に生まれ、多くの資金需要がそこにあり、だからこそ多くのベンチャーキャピタリストたちがシリコンバレーを活動の拠点にし、多くのベンチャーキャピタリストが集中していることが世界各国から新たなベンチャー企業を呼び寄せる吸引力になっているのである。