シリコンバレー物語(10) | 青学V-NETマガジン

シリコンバレー物語(10)

■起業家の8割はベンチャーキャピタリストが嫌い
 
 ベンチャーキャピタリストの存在はいかにもありがたいものに思えるが、しかし、シリコンバレーで話を聞くと、意外や意外、「ベンチャーキャピタリストは嫌い」という起業家が非常に多い。「起業家の8割はベンチャーキャピタリストを嫌っている」という話を聞かされたこともある。 なぜか?
 理由は簡単である。ベンチャーキャピタリストの狙いは、あらゆる支援をすることで投資先企業を成長軌道に乗せ、1日も早く、1ドルでも多くキャピタルゲインを得ることにしか考えていないからである。極端な話、キャピタルゲインさえ手にしたら、投資していた企業が倒産しようが何しようが関係ない。長期的展望など持ち合わせていないのである。
 一方、起業家はといえば、自らの会社が永続的な発展、成長を願うのが人情というもの。そういう意味では、両者の間には埋めがたい溝が、経営に対する考え方の違いが実は存在するのである。