シリコンバレー物語(11) | 青学V-NETマガジン

シリコンバレー物語(11)

従業員の多国籍化は世界一!?  


アメリカは“人種の坩堝”とよくいわれるが、シリコンバレーはまさにその典型である。最新の情報、最新の技術を求めて、そしてアメリカン・ドリームを夢見て、世界中から数多くの優秀な人材が集まってきているからである。 

 同じ会社、同じオフィスで働く従業員の国籍の多様さは間違いなく全米一であり、それはとりもなおさず世界一を意味する。そういっても過言ではないだろう。 

 たとえば、新日鐵OBのS社長率いる会社の社員数は約40人だが、その国籍はアメリカ、インド、中国、ドイツ、イギリス、アイルランド、韓国、イラン、日本という具合に、日本人の感覚ではとても信じられないほどバラエティーに富んでいる。

「従業員が多国籍なのでマネジメントはかなり大変です」 と、S社長も苦笑する。 この多国籍ぶり、無国籍ぶりは、同社に限ったことではない。シリコンバレーの会社はどこも似たり寄ったりである。 

 シリコンバレーで働く技術者、科学者の約3分の1はアメリカ以外の国で生まれた人たちであるという調査報告書などもある。 

 外国人技術者や科学者が多いということは、「いつかは自分で会社を作りたい」という独立起業予備軍が多いということであり、実際に独立起業に走る人が後を絶たない。 

 独立起業組に加え、アメリカン・ドリームを夢見て海外からやってくるアントレプレナーも多く、シリコンバレーのハイテク企業の5分の1は非アメリカ人の手によって設立されているという調査報告もある。 シリコンバレーに多種多様な人種が数多く集まっていることは、車を運転しているだけでも実感することができる。国際食豊かなレストランがあちこちにあるからだ。 中華料理、日本料理、メキシコ料理、イタリア料理、ベトナム料理、タイ料理、韓国料理--などなど。